皆さん、いま密かに”SC相模原新スタジアム問題”が起きていることはご存じでしょうか?
SC相模原は現在J3に所属しているのですが、上位リーグに昇格するために必要なJ2クラブライセンスを例外規定を受けて交付されている状況です
その例外規定というのが
「施設基準を満たすスタジアムを5年以内に新設し供用開始することを約束すること」
実はその提出期限が2025年6月に迫っているのです!!
今回は、SC相模原の新スタジアムを巡るニュースと今後の展望について話していきたいと思います
J2ライセンスに必要な施設基準とは
SC相模原のホームスタジアムは「相模原ギオンスタジアム」です
ではJ2ライセンスに必要なスタジアムの施設基準はどんなものがあり、そのうち何が満たされていないのでしょうか
○J2ライセンスに必要なスタジアムの主な施設基準
・入場可能数 J1は15,000人以上、J2は10,000人以上(芝生席は観客席とはみなされない)
※椅子席で、J1は10,000席以上、J2は8,000席以上の座席があること
・屋根 すべての観客席を覆うこと(観客席の3分の1以上が覆われていること:施設基準 B等級)
○相模原ギオンスタジアムの施設概要
・収容人員 6,315人(芝生席を除く・椅子席も同数)
・屋根 メインスタンド中央の上半分のみ
以上から、J2ライセンスに必要なスタジアムの施設基準を満たせていないことが分かります
このことから、SC相模原はJリーグの定める特例基準「施設基準を満たすスタジアムを5年以内に新設し供用開始することを約束すること」を適用し、新スタジアム建設に向け動き出しました
ホームタウンチームが目指していた新スタジアム構想
2019年、SC相模原を始めとした相模原市の4つのホームタウンチームがスポーツ庁の「スタジアム・アリーナ改革推進事業(先進事例形成支援)」として選定されたことを受け、JR相模原駅前に位置する相模原補給廠の一部返還地を候補地とするスタジアム等複合開発の可能性を検討し始めました
その動きを加速するために、2019~2020年に市民への署名活動も行い、約10万4,000筆を集め、多機能複合型スタジアムの要望書とともに本村賢太郎市長に提出し、相模原市の協力を仰いでいきました
本村市長からも「コロナ禍の中、集めるのは大変だったと思うが、皆様からの多機能複合型スタジアムの思いを重く受け止めている。なるべく民活を利用しながら皆さんの希望が叶うように、市役所側も議論していきたい」とコメントもあり、新スタジアム構想は順調に進むように見えました
音を立てて崩れ去った新スタジアム構想
2024年11月19日、SC相模原を始めとした相模原市の4つのホームタウンチームが相模原市が策定する「相模原駅北口地区土地利用計画」の民間意見公募に提案書を提出しました。その中には、「スタジアム・商業を核とした高層高密度・交流重視ケース」となる計画案が示されていたそうです。この提案が通れば、例外規定の期限である2025年6月に間に合う事が出来ます
そして、迎えた2025年5月9日。相模原市はJR相模原駅北口に面する相模総合補給廠一部返還地の土地利用の検討状況を公表します。そこには、、
”グリーン × ライフ × イノベーション シティ~Challenge Sagamihara~”
そう、そこにはスタジアムを中心とした開発計画は示されていませんでした
これはSC相模原だけでなく、4つのホームタウンも同様に落胆の色を隠せなかったと思います
では、なぜ相模原市はスタジアム構想を採用できなかったのでしょうか
その理由については大きく2つ示されており、民間提案が「民設民営による実現」と「用地の無償貸し付け」といった部分で提案募集の前提条件に合わなかった、とのことです
SC相模原がJ2ライセンスを取得するためには
では今後、SC相模原がJ2ライセンスを取得するために何をすれば良いのでしょうか
考えられることは、以下の2点が挙げられます
①相模原ギオンスタジアムを施設基準を満たすスタジアムに改修すること
②ホームタウンの中で別の土地を見つけ、施設基準を満たす新スタジアムの工事を着手すること
5月9日の相模原市の公表以降、SC相模原の西谷社長が5月22日に、「相模原駅北口に匹敵する条件下で計画を出したい」とコメントを公表しています。
提出期限が2025年6月に迫るSC相模原。一体どのような結末を迎えるのか。
ここからの1か月は大注目です!
※2025/5/26更新
SC相模原を始めとする相模原市ホームタウンチームの4チームが、5/26に「相模原駅北口地区土地利用計画に係る民間提案募集」に応募した提案書を公表し、コメントを発表しました。
SC相模原の西谷社長は、SC相模原に限っての言葉として、”ホームタウンとする市町において今回提案と同規模以上の計画を引き続き検討し、期限までに具体案をJリーグに提出することを目指します”と発表しました。続報を期待しましょう!!